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若狭町みさき漁村体験施設
みさきち活性化WG

平成30年4月14日の土曜日に開催された、若狭町みさき漁村体験施設「みさきち」のオープン記念式典の様子

Q. みさきちとはどういった施設ですか?

齋藤 | 若狭町みさき漁村体験施設「みさきち」は、閉校となった旧岬小学校・三方中学校岬分校の校舎を改修し、魚さばきや干物づくり、漁業などの漁村体験をはじめ、シーカヤックやSUPなどの海のアクティビティも行うことができる研修宿泊施設です。改修の際には本学環境情報学部デザイン学科の学生や教員がデザインに携わり、本学が指定管理者となって運営しております。名前については、地元の方の愛着ある小学校の名前を残し、青の洞窟などの若狭町の観光資源を活かしながら、イベントや情報発信を行う基地として活用していくという思いが込められています。オープンしてからは、本学の学生が泊まり込みのゼミで利用することはもちろん、県内外の子どもたちが長期休暇期間に利用しています。山と海に囲まれた場所ですから、四季を肌で感じながら宿泊もでき、自然と触れ合える濃密な時間を過ごせると思います。さらに、地域の方々が遊びに来ますので、地元の人と人とがつながる楽しさもあります。きっと「みさきちのこの人に会いたい!」と思ってリピーターになってくださる人もいるのではないかと思っています。

地元の子供たちが科学実験キャラバンへ参加し体験する様子

Q. みさきちプロジェクトとの関わりについて

齋藤|大学事務局社会連携推進課に所属し、「みさきち」の企画段階から完成まで関わりました。元々、本学の「旧岬小学校校舎改修・活用WG」というチームがあり、発足から所属していたのですが、この施設の改修が決まってから「みさきち」活性化ワーキングが作られ、そこから2年ほどかけて週に1度は若狭町に通いました。まず、設計の前段階として、何を目的に、この地域のためにどのような施設を作るのか?という部分を、地域の方々にヒアリングを丁寧に行いました。逆に、本学だからこそできることは何か?をまとめるためのミーティングも密に重ねて、双方の意見を取り入れながら、「みさきち」が一番いい形になるように目指していきました。

みさきちプロジェクトを担当した
社会連携推進課 齋藤さん

Q. 学生さんとはどのように関わっていますか?

齋藤|学生と地域がうまく連携できるように、そのパイプ役を務めていると思っています。例えば、学生から上がったアイデアや活動が、地域にとってマッチするものと、そぐわない場合があったりします。その場合、どうすれば両者が折り合いがつくかということは、しっかり見るようにしています。実際に学生主体で、それまで途絶えていた「みさき祭」を復活させて実施した時は、学生のような若い世代が地域の方々と交流できたことが良かったという声を直接いただいたり、「みさきち」ができてから町がにぎやかになった気がするとお話される人もいらっしゃったりして、少しずつ良い広がりが出てきているように感じます。

山本|僕は、「みさき祭」の実行委員長を担当し、もっと「みさきち」を活性化したいと思い、自分から手を挙げて活動をしています。何事も経験だと思い、自分のためになりそうなことは、積極的にやらせてもらっています。特に、地域に深く関わらせてもらったことで、世代の考えのズレが生じた時に、どのように共通点を見つけ出せるのか?と考える経験値は、今後、社会へ出た時にも必ず役立つのではないかと思います。

みさきちプロジェクトに参加した学生の山本さん

Q. 学生さんから見た事務職員はどんな職員さんですか?

山本|いつも気にかけてもらったり、良さそうなプロジェクトに声をかけてもらったりして、学生として地域に関われる機会をいただけることが、本当にありがたいですね。日頃から気軽に話すこともできるので、頼りにしています。いつもありがとうございます!

事務職員|そんな風に思ってもらえると、嬉しいですね。私たちとしても、こうして積極的に活動してくれる学生は貴重な存在ですから、大事にしたいですし。学生が何をしたいのかを尊重しながら、地域が求めているところにどう入っていけるかを、日々考えるようにしています。

当時のことを思い出しながら、お互いの関わり方を振り返る2人

Q. 日々の仕事のやりがいはどんなことですか?

齋藤|私たちは教員ではありませんから、学生に対して上からものを教える立場でも、下から持ち上げる立場でもありません。地域と学生の間に対等に立ち、「何がしたい?」ということを学生に聞きながら、地域とつないでいきたいと日頃から思っています。元々教員の経験もあり教育現場にも長く携わってきましたが、教員ではなく職員という立場でも学生がまっさらな状態から成長する姿が手に取るようにわかり、実感できることがやはり一番の醍醐味ですね。学生一人ひとり、うちに秘めているものは違いますし、やり方も違います。本人がどうしたいのかを引き出し、アドバイスを通じて変わっていく姿を見ると、本当に嬉しいし楽しいですね。事務の仕事は地味に見られがちですが、書類1枚とっても、すべて学生や地域のためになっていく意味があるものなので、どんな事務作業も大事だと感じています。

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