環境・食品科学科による持続可能社会の課題解決への取組紹介|FUT公開講座ー未来塾ー|KANAIGAKUEN ACTION BOOK|金井学園

 

持続可能な社会構築の視点から

 

福井工業大学 FUT公開講座 - 未来塾 -

学科主催により、その研究について学外の方々へもその取組を知ってもらおうと定期的に開催されている公開講座。今回は、 福井工業大学環境情報学部 環境・食品科学科主催での講座。時間は2時間半。テーマは「地球を取り巻く課題への地方からの挑戦」でした。

告知用フライヤーに書かれた説明によれば、当該学科は「持続可能な社会の構築に貢献できる人材の育成を目的として、環境保全や食糧資源の確保など地球規模の視点から教育・研究を行っています。基調講演とともに、本学科における世界規模の視点での課題解決に向けた地方大学からの取り組みを紹介し、参加された方々と共にその課題について考えたい。」とのことでした。
 

◇ ◇ ◇

講座の予定は次の通りで、研究紹介の後には、学科主任の矢部希見子教授の進行によるフリートークが行われました。

>基調講演
堀江 武 氏 |農業・食品産業施術総合研究機構(農研機構)元理事長 本年度日本学士院賞受賞
演題:アジア・アフリカ稲作の世界と食料・環境問題

>環境・食品科学科の研究紹介
 小松  節子 教授|食料・環境問題を科学的側面から考える~耐湿性ダイズの作出を目指して~
 笠井  利浩 教授|淡水資源の源は雨水~雨水活用の意義とその実践事例~
 柏山祐一郎教授|地球環境を支配する外洋域の微生物生態系の謎を解く


主催:学科主任 矢部教授 挨拶

外部からの聴講も多くいただきました


 

紹介された多彩な研究  実験室からグローバルな課題へアプローチ

 

今回の公開講座を聴講して改めて感じるのは、その研究分野の多彩さです。それが、環境・食品科学科 の最大の特徴でもあります。


□ まず、基調講演をいただいた堀江先生の「アジア・アフリカ稲作の世界と食糧・環境問題」について。ラオス北部山岳地帯、コートジボワール、フィリピン、マダガスカル南部、ベトナム、中国、米国、そして日本の稲作の特徴を写真とともにご紹介いただきました。さらには地球温暖化やCO2の増加による稲作への影響などを調査されていること、そして特にアジア・アフリカ地域における稲作には、これまで日本が永年培ってきた稲作技術の応用が有効であると述べておられました。


□ 続いて本学の 小松節子教授 による「耐湿性ダイズの作出」に関する長年の研究を、応用につなげていくというお話。日本におけるダイズ消費は75.5%が加工用で、しかもそのほとんどが、バイオ燃料などの油糧として使われているそうです。この大豆の多くは輸入に頼っており、今後の世界的な気候変動等により確保が困難になることも予想されます。そこで、持続的なダイズの確保には、日本国内での自給率を高めていくことが求められます。そのために、日本の気候に合う耐湿性の高いダイズを、開発することが必要なのだということを話されていました。


□ 笠井利浩教授 からは、雨水活用の実践的な研究事例の紹介。雨水を生活用水として活用するための事例とともに、近年続けている五島列島赤島という水道のない離島での雨水活用実践についても報告がありました。この赤島での取組については以前 ‐ こちら(リンク) ‐ のTopicでも詳しく取り上げていますのでご覧ください。 


□ 最後の発表は、柏山祐一郎教授。光合成のプロセスに注目し、鍵物質であるクロロフィルの生化学を中心に、生命現象や進化の観点から人類を取りまく生命環境の多様な研究に取り組んでおられます。今回は、この公開講座のテーマに合わせ、ご自分が中央水産研究所の大型船 -「蒼鷹丸」SY1610-  に便乗し、片道2週間太平洋を南方へ航海した時のエピソードや、船上に積み込んだ電子顕微鏡などの実験器具を使って調査したピコ藻類についてのお話を聞かせていただきました。


最後のフリートークより

掛下学長からの御礼と総評


 

あとがき


普段、大学の実験室で地道な実験を繰り返しておられる先生方の研究活動が、持続可能な課題の解決のためにグローバルなアプローチをされていることを知ることができる公開講座でした。近年、外務省が提唱している SDGs 「持続可能な開発のための2030アジェンダ」における、以下のような目標と通じるのかなというのが個人的な感想です。

フリートークの最後に話をされた矢部教授の穏やかな言葉の中に、「地方大学としての挑戦」と付けられたこの講座のタイトルへの確たる想いが見えた気がするのは私だけではなかったと思います。

-------
★SDGs|具体的な目標詳細からの抜粋
-------
・目標1(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
・目標2(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
・目標6(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
・目標13(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
・目標14(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
------

福井工業大学の市民向け FUT公開講座 -未来塾- では、こうした学科主催による研究の紹介をする講座だけでなく、様々な年代の方々に楽しく学んでいただける講座をご用意しております。

公開講座についてもっと詳しくご覧になるには こちら をどうぞ。

========

Edited by KEI NEWS STAND|金井学園広報
関連リンク >> Instagram を見る


tag

#OB・OG#Re_BRANDING#SDGs#お宝発見#お知らせ#ふくいPHOENIXハイパープロジェクト#まなびスタイル#みさきち#グローバル#サスティナビリティ#スポーツ&カルチャー#ダイバーシティ#ラボ☆レポ#世界へ羽ばたけ!#中学校・高等学校#住み続けられるまちづくり#受賞・表彰#地域連携#大学#学生・生徒サポート#安全な水とトイレを世界中に#専門学校#歳時記#気候変動に具体的な対策をを#産学連携#研究#社会連携#製菓専門学校#飢餓をゼロに#高校
タグ一覧はこちらタグ 一覧へ

keyword

TOPに戻る